地域活性学会 The Japan Association of Regional Development and Vitalization

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|研究論文集「地域活性研究」Vol.16(2022年3月発行)目次


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~ 目次 ~

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研究論文

地域愛着を喚起する観光経験は何か ―経験記述のテキスト分析による検討―

岩永 洋平(九州産業大学)

論文要旨▼
旅行者の観光経験のうち、地域への愛着を喚起するのはどのような経験か。これまで旅行者の属性や訪問動機などと地域愛着の関係を捉えた先行研究はあるものの、訪問先での経験の地域愛着への影響の研究は数少ない。調査設計者側の意図に規定されない旅行者の固有の具体的な経験を把握するために、本研究では自由記述式で観光経験を把握した。石川をケースとして自由記述データにテキスト分析を適用し、地域愛着が高い群の特徴語を抽出し用例を分析した。その結果、既存研究では重視されてこなかった、「訪問後の記憶の想起」「歴史的営為との接触」「固有の事物の発見」という観光経験の三つの要因が、地域愛着を喚起することが明らかになった。
 

ルーラルツーリズムにおける農村女性のエンパワーメント
-日伊比較の視点から-

五艘 みどり(帝京大学)
 
論文要旨▼
農村における地域活力の向上には女性の定着が重要である。そのためには、農村女性が社会で活躍でき、そこからエンパワーメントが創出される環境が必要だが、その活躍の場としてルーラルツーリズムが挙げられる。そこで本論では、ルーラルツーリズムにおける農村女性のエンパワーメント創出に注目し、先進事例と言えるイタリア南チロル県と発展途上にある京都府和束町を比較することで、日本の地域活性化に不可欠な農村女性のエンパワーメント創出の課題を明らかにする。
 
   
 
 

研究ノート

 

 

 

公有林の森林整備を通じたJ-クレジット活用促進と地域活性化に関する一考察

石井洋二(東洋大学大学院経済学研究科公民連携専攻)
 
論文要旨▼
管理が十分に行き届かない森林が日本各地で散見される中、J-クレジット制度を活用して外部資金を地域コミュニティに流入させ、森林整備の財源に充当して森林整備を進めて行く試みに着目した。J-クレジットによる森林整備は主に公有林で実施されるケースが多く、J-クレジットの収益が森林整備費に占める割合が低いことが判明し、J-クレジットの収益を用いた森林整備を推進するためには、森林由来のJ-クレジットの普及拡大が必要であることが示唆された。また、普及拡大のためには、森林由来のJ-クレジットの価値を二酸化炭素の吸収量のみで評価するのでなく、森林の多面的な公益的機能を包含した多元的な評価の必要性も示唆された。
 

地域資源を活かしたマーケットはどれくらい地域に裨益するか
~経済的側面を中心に~

稲垣 憲治(一般社団法人ローカルグッド創成支援機構)・鈴木 美央(東京理科大学)
 
論文要旨▼
マーケットは、自治体等により公共空間で開催されるため、地域にとって有益性が定量的示されることが重要である。本研究においては、アンケートや地域付加価値創造分析を用いて、マーケットの地域への経済的な効果を定量的に導出した。分析の結果、地域資源を活かしたマーケットは、一般的な地域外出資のショッピングセンターと比べ約6倍の地域付加価値を生み出し得ることが分かった。地域付加価値を高めるマーケットとするためには、可能な限り地域資源である魅力ある地域店舗による出店を主体とすべきことを定量的に示した。
 

産学連携の地域活性化事業が地方中小企業の新規事業創出に与える影響
- 大学が研究員を企業に投入するプログラムが果たしたプロジェクト遂行の要因 –

内田考生(信州大学)
 
論文要旨▼
本研究は、産学連携による地域活性化事業が、事業規模拡大のために新規事業創出を図る地方中小企業に与えた影響を明らかにすることによって、地方中小企業の発展による今後の更なる地域の活性化に貢献することを目的とする。本研究では、産学連携の地域活性化事業である「信州100 年企業創出プログラム」によって、事業拡大に悩む地方中小企業に投入された研究員が、新規事業創出という方法で事業拡大を図るプロジェクトを遂行し、その遂行を可能にした要因についてフィールドワークという手法で分析したものである。その結果、「1.経営資源の投入」「2.適時適材の社員の積極的なプロジェクトへの参加」「3.経営理念の社内への浸透とプロジェクトとの一貫性」が必要であることが分かった。
 

酪農産地の成長構造の解明

斉藤俊幸・那須清吾(高知工科大学大学院起業マネジメントコース)
論文要旨▼
日本最大の指定生乳生産団体は北海道のホクレンである。フェリー航路の開設、冷蔵技術の進化等により、近畿圏に安定的に生乳移出を行うことができ兵庫県の乳業メーカーに貢献している。しかし兵庫県酪農は生乳生産量が減少し、衰退傾向にある。兵庫県は北海道と比較して酪農業の大規模化に後れを取った。兵庫県は5 つの酪農組合を一組合にしようと兵庫県酪農農業協同組合を結成した。新会社が負債を引き受け、兵庫県酪農農業協同組合は再スタートしたが、負債が解消されたたんに大規模酪農家と小規模酪農家に組合が分裂した。小規模酪農家を支える丹波乳業に焦点を当て酪農産地再生モデルを検討した。
 

北海道日本ハムファイターズの地域貢献活動
―地域貢献活動の継続の仕組みに着目して―

鳥山 稔(至誠館大学)・佐々木 達也(城西大学)・田島 良輝(大阪経済大学)
西村 貴之(金沢星稜大学)・神野 賢治(富山大学)・池田 幸應(金沢星稜大学)
 
論文要旨▼
本研究の目的は、北海道日本ハムファイターズが実施する地域貢献活動の実態を把握すること、活動を継続するための仕組みを明らかにすることである。地域貢献活動の実態把握には球団公式HP のニュース記事を用い、集計を行った。また、球団公式HP と関連する文献を用い、地域貢献活動の継続の仕組みについて検討した。本研究の結果より3 つの知見が得られた。1 つ目は、年間を通して多様な地域貢献活動を継続的に実施していること。2 つ目は、同じ地域と何度も交流する機会を持っていたこと。そして3 つ目は、ファンからの収益や寄付をファイターズ基金に積み立て、その資金を地域貢献活動に充てていたことである。ファンがチャリティーオークションや寄付等で球団を支え、その資金を原資に球団が地域社会を支えるというモデルは、今後のプロスポーツの地域貢献活動の形に有益な示唆を与えたと考えられる。
 

地域の潜在的魅力発掘を考える場への地域外者参加の効果
オンラインワークショップを用いた介入実験

永井楓・当麻哲哉・林美香子(慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科)
 
論文要旨▼
観光は、団体旅行から個人のニーズを満たす旅へと変化している。近頃では、地域資源を価値にする為、観光資源として地域の宝を再発掘し、戦略策定をする必要が指摘される。本研究では、地域外者の力を借りる事で地域資源の発掘に関する有効な効果を発揮できると考え、地域内者を集めた集団に地域外者を参加させる検証を実施した。その様子を記録し、逐語録を作成後、修正版・グラウンデット・セオリー・アプローチ(M-GTA 分析)を用いた。その結果、地域に外部から長期的に携わる者でなくても、地域に興味がある状態や地域外者がその地域と他地域を比較する行為によって、地域内者の地域の見方を改め、魅力再発見を強く促す可能性を明らかにした。
 

地域包括ケアシステムの構築に向けた対話型アプローチを活用した高齢者一人ひとりの人生設計デー
タの収集法に関する研究-三重県志摩市浜島町浜島地区・大王町波切地区を対象として-

永野 聡(立命館大学産業社会学部)
 
論文要旨▼
本研究では、包括的な地域ケアシステムを構築するための基盤となる構成要素に着目した。本研究の目的は、地域包括ケアシステムの受益者となる高齢者一人一人の人生設計データを収集する方法を提示することである。また、「筆者がまちづくりや人材教育の現場で培ってきた研究手法(対話型アプローチ)を用いることで、地域の医療従事者に有用なデータを提供できるのではないか。」との仮説を得た。結果として、対話型アプローチにおいては、(Ⅰ)個別方式(インタビュー)、(Ⅱ)小集団方式(「60 歳からの人生ゲーム」を用いたワークショップ)いずれでも有益な人生設計のデータを入手する事が出来た。
 

地方公共団体における評価制度の発展モデル - 仮説と検証 -

藤田 大輔(関西大学ガバナンス研究科)
 
論文要旨▼
本研究の目的は、地方公共団体における評価制度の発展モデルの仮説を提示し、その発展モデルの仮説を3市の事例を観察し比較検証することである。発展モデルの仮説は、これまでの量的調査及び理論的先行研究から構築した。事例は、質的データの信頼性が高い3市を選択した。検証の結果、発展モデルの仮説は暫定的に受け入れることができる。残された課題は次の2点である。公開されている事例は優良事例が多いため、選択バイアスが発生している可能性があること。評制度を導入していない、あるいは、かつて導入していたが現在は廃止している地方公共団体があること。今後、これらの事例を調査し、発展モデルの仮説の修正を検討する必要がある。
 

地域内関係人口による都市と里山が連携した地域づくり方策に関する考察􀀃
~金沢市東原集落での取り組み~

松下重雄(長野大学)
 
論文要旨▼
本論では、地方都市の都市住民とその近隣エリアの農山村の地域住民が連携する新しい地域づくりのあ り方について、関係人口の観点から事例研究をおこなった。具体的には、地域外の人材によって構成され るNPO とともに展開される金沢市の里山地域・東原集落の地域づくりの取り組みから、「地域内関係人口 によるまちと里山が連携した暮らしのモデル」をつうじた魅力ある地域づくりの可能性を示した。その構 造は、①強度の異なる多元的な関係人口の関与と②農村地域住民とNPO による新しいコミュニティの形 成をつうじて、③農村集落との近接性を活かした新しいライフスタイルを実現させることが特徴である。
 

地域イノベーションの一般住民への普及を促進する自治体広報の研究
-徳島県神山町「町民町内バスツアー」事業の参加者体験の分析を通じてー

三⽊裕⼦・坂倉杏介(東京都市⼤学)・⾼⽥友美(神⼭つなぐ公社)
 
論文要旨▼
先導的な取り組みによって地域の活性化が始まった後、一般住民にも新しい取り組みの情報が伝わり受容
されていくことが持続的な地域づくりに不可欠である。本研究では、「地方創生の取り組みや町の新しい動きに関する情報」を一般的な住民に浸透させていく効果的な自治体広報のあり方を検討するために、神山町が広報事業として住民向けに実施しているバスツアーを対象に、参加者の体験を特定するとともに、イノベーション普及理論を援用してマジョリティ層への普及の実態と要因を検証した。この結果バスツアーは、地域に既にある住民グループのネットワークによって、マジョリティ層を中心に関心度合いの異なる住民が同時に参加しており、個別伝達ではなかなか普及していかない情報を伝える自治体広報として有効な手法であるということが確認できた。
 

中国における高齢者の介護ニーズ及びその影響要因に関する研究
- 市場セグメンテーションの視点から -

劉 利,野田博行,高澤由美,中島健介,小野浩幸(山形大学)
論文要旨▼
日本を含めた先進諸国では人口減少と高齢化が大きな課題となっている。地方圏は特に深刻な状況にあり、地域活性化を論じるうえでは高齢社会の課題を避けることはできなくなっている。このため、諸外国の事例等を参考にした高齢社会への対応に関する検討が求められている。特に、介護保険制度の導入以後は、要介護者がサービスを自由に選ぶ「準市場」が社会的に創出されることになるため、マーケティング理論に基礎をおく研究の重要性が増している。
そこで本研究では、2020 年に介護保険制度が導入される中国を対象として、「CHARLS 中国健康和養老追踪調査」を用いて、生活ケア、医療ケア、精神的ケアという3種類の介護ニーズについて、市場セグメンテーションの仮説に基づく介護ニーズの分析を行った。その結果、精神的ケアに関する介護ニーズが最も高いこと、生活ケアに関する介護ニーズでは子と同居する高齢者が年齢を重ねるほどニーズが高くなること、医療ケアに関する介護ニーズでは都市部の子と同居していない女性が、精神的ケアに関する介護ニーズでは農村部の婚姻していない女性がより高いニーズを有していることが明らかとなった。
 
   

事例報告

脱炭素社会実現に向けた30 年後のエネルギー選択「次世代エネルギーワークショップ」

鵜飼宏成(名古屋市立大学大学院経済学研究科)
 
論文要旨▼
本稿は、脱炭素社会実現に向けた30 年後のエネルギー選択を考えるワークショップの実践報告である。4 日間20 時間のワークショップを通じ、専門性を異にする次代を担う若者が、協働して克服策を見いだしていくプロセスを体験する。
具体的には、参加者が類似価値観グループ討議、異価値観グループ討議、低炭素ナビを活用したシミュレーションを繰り返し、脱炭素社会を達成する30 年後のエネルギー選択案を発表する。その後、専門家からのコメント、全体でのオープン・ディスカッションを経て、発展的に考える課題認識を共有してワークショップ終了となる。
 

ガソリンスタンド株式会社油米におけるインナーブランディングの構築

大西 昌子 、浅井 義文、岡山大成
(株式会社油米, 三重大学大学院地域イノベーション学研究科 )
 
論文要旨▼
地方や地域においては活力が失われ、町や商店街に活気が無いという状況が散見される。特に、コロナ禍の影響もあり、観光地である伊勢市は緊急事態宣言時には閑散とした状態に陥った。そのような窮地にあっても、創業後157年目を迎えた
歴史ある株式会社油米では、経営の立て直しを図り事業継続していくにあたり、従業員満足を高めるための環境改善や顧客満足度を高めるためのイベント・サービスの工夫など複数の事案に取り組んだ。その具体的な取り組み内容と改善初期からの変遷を時系列に従って本報告として紹介する。
 

「スポーツまちづくり」に関する一考察
― 山形県長井市の「けん玉のまちづくり」を事例として ―

小野英一(東北公益文科大学)
 
論文要旨▼
本稿では「スポーツまちづくり」の事例として山形県長井市の「けん玉のまちづくり」を取り上げる。長井市ではこれまで「けん玉のまちづくり」の様々な取り組みを進めてきている。しかしながら、これらの取り組みについては、これまで断片的な情報提供や報告などはあったものの、取り組み全体を包括的に捉え、まとめたものは不在している。また論考レベルにおいても、先行研究は不在している状況にある。本稿では、はじめに「スポーツまちづくり」についてまとめる。次に長井市における「けん玉のまちづくり」の取り組みについて調査・整理し、考察を加える。最後に今後の取り組みの課題と研究課題について述べ、全体をまとめる。
 

少子高齢社会における新興住宅地の現状と課題―高崎市内の住宅団地を例に―

坂本 祐子(群馬パース大学)
大宮 登(高崎経済大学)
 
論文要旨▼
少子高齢化社会において、全国的に見れば小規模な市町村において高齢化率が高いが、ニュータウン等の団地の高齢化のように、局所的に高齢化率が高くなり、まちづくりの観点から対応が求められる地域も少なくない。今回はそのような団地の少子高齢化の実態を把握し、町内会を運営している役員等にヒアリング調査を行うことで、現在の地域の困りごとをまとめ、町内会運営を行う上での課題を探ることを目的として、群馬県高崎市内の 団地を対象に調査を行った。 団地は、住民自治意識の高い地域であるが、少子高齢という構造的な問題に対して解決策を提示できていない。既存住民の意識や意欲とは別の次元での、支援策が必要であるといえる。
 

〈スポーツ交流型まちづくり〉の持続的展開に資する教材開発に関する考察

高久 聡司(目白大学社会学部)、大西 律子(目白大学社会学部)
 
論文要旨▼
本論文は、〈スポーツ交流型まちづくり〉を地域で支える担い手の育成に有用な教材開発の基本枠組みを検討することを目的とする。具体的には、既存資料の分析を通じて、1)近年蓄積されつつある〈スポーツ交流型まちづくり〉の実践知が、地域住民(担い手予備群)に幅広く、かつ容易に入手可能な現状にないことを明らかにした上で、2)地域住民にとって比較的アプローチしやすいテキスト2 種(「ワークブック」及び「マンガ」)の構造分析を行うことで、教材開発の基本枠組みとして有用な「ターゲット層の絞り込み」「コンパクトな構成」「情報の提示方法」「学習スタイル」「冊子の形式」の5つを析出し、提案している。
 

地域を盛り上げる芸人たちの社会起業家としての潜在性                                                                                                       

中村 寛樹(東京大学社会科学研究所/九州大学ユヌス&椎木ソーシャル・ビジネス研究センター)
 
論文要旨▼
少子高齢化や人口減少、過疎化が進む日本において、行政のみならず民間企業など様々な主体が地域づくりを実施している。
本調査研究では、吉本興業グループが2011 年4 月より実施している「あなたの街に『住みます』プロジェクト」およびそのプロジェクトのソーシャルビジネス事業化をすすめる「ユヌス・よしもとソーシャルアクション株式会社」の事例に着目する。当該プロジェクト関係者や住みます芸人を対象とし、アンケートおよびインタビュー調査を実施することで、活動経緯や日々の活動、また、日々の活動を通じて、どのように地域の課題を吸い上げ、それを解決するための事業化を進めているか、それを実践する社会起業家としての潜在性や今後の展望などについて考察する。
 

流域圏に着目した総合的な地域づくり:筑後川流域の取り組み事例                                                                                                    

中村 寛樹(東京大学社会科学研究所/九州大学ユヌス&椎木ソーシャル・ビジネス研究センター)
 
論文要旨▼
現在、世界全体で、気候変動による水害の頻発化、台風、熱波、地震にコロナ禍など、複合災害が多発、わが国では、生産人口減、少子高齢化、人口減少などが進み、地域はさまざまな持続性の危機に直面している。九州地域においても、コロナ禍において記録的な大雨による水害・土砂災害が頻発している。本稿では、河川流域という地域単位に着目した、筑後川流域における取り組み事例を、シンポジウム「流域に着目して未来を考える~地域社会の危機への総合的なアプローチ~」(主催:東京大学社会科学研究所「社会連携研究部門」「危機対応学『地域貢献見える化』事業」)の内容等を参考に考察する。
 

地域住民主導の再生可能エネルギー導入に関する研究 ~長崎県の事例の検討~                                                                                                       
西沢太朗(長崎大学環境科学部),昔宣希(長崎大学環境科学部)
 
論文要旨▼
東日本大震災以降、日本政府は持続可能なエネルギーの確保と低炭素社会の実現を目指し様々な政策が実施された。
長崎県は日本政府の動向にならい「第4 次長崎環境基本計画」を策定し、再生可能エネルギーの導入を促進するべく、条例の制定や改正などを行った。本研究は、長崎県のNPO 法人「環境カウンセリング協会長崎」が主導して行った太陽光パネル設置事業を地方の再生可能エネルギー普及事業における好事例として挙げられる長野県飯田市の事例と比較する目的で行った。本研究は、地域における市民主導の再生可能エネルギー事業を円滑に推進するにあたり、必要となる仕組みや体制について提言を行う。
 

相馬農業高校におけるアート制作による地域活性化の可能性                                                                                                       
神酒 太郎(嘉悦大学) 
論文要旨▼
本稿では、福島県立相馬農業高等学校における震災復興の取り組みを取り上げる。高校のある福島県南相馬市は東日本大震災および福島第一原子力発電所事故によって甚大な被害を受けた。そのような状況で、相馬農業高校は2013 年に「農業再生」をめざして「世界最大のシードアート製作委員会」を立ち上げ、相馬野馬追の騎馬武者絵を描いたアートはギネス世界記録に認定された。本稿では、プロジェクト全体およびその影響を包括的に捉え、事例報告を行うものである。プロジェクト立ち上げからギネス世界記録認定までの経緯、市民の反応、学生に与えた影響などについて整理し、考察を加える。
 

百舌鳥・古市古墳群における地域活性の動向と課題
 
                  
山中鹿次(NPO 法人近畿地域活性ネットワーク)
論文要旨▼
2013 年以降に急速に拡大した古墳ブームと、2019 年7月にユネスコの世界文化遺産に認定されたことにより、大阪府の百舌鳥(堺市)・古市(藤井寺市、羽曳野市)古墳群は俄然世間の注目を浴びることとなった。
だが世界文化遺産登録も、長年の地元の努力が実ったのであり、その努力、取り組みは地域の活性化に貢献している。世界文化遺産登録実現による地元の知名度向上と、郷土への誇りが高まったことは、地域活性への意欲をより高めたが、この百舌鳥・古市古墳群における地域活性への取り組みや、今後の課題について報告する。
 

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地域活性学会 事務局(寺尾・堀本)
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