地域活性学会 The Japan Association of Regional Development and Vitalization

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|研究論文集「地域活性研究」Vol.14(2021年3月発行)目次


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~ 目次 ~

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研究論文

小規模自治体の定量データ分析 

- 人口増を達成している自治体の発展戦略と財政の特徴

 

安達明久(新潟産業大学経済学部)
論文要旨▼
本研究は人口増を達成している小規模自治体216団体に着目し、その発展戦略と財政の特徴を解明したものである。具体的には、小規模自治体1,451団体について、「人口・雇用・財政」の3つの観点から定量データによる分析を行い、その発展戦略を8つの類型に分類したうえで、類型毎に人口増と財政の特徴を統計的手法により抽出した。その結果、「ベットタウン型」「製造業型」「物流拠点型」の類型では、人口増を達成している自治体の出現率が高いこと、さらに、人口増による税収増や歳出抑制など、自治体財政改善の点でも有効性が高いことが判明した。他方、「農業型」「宿泊型」などの類型では、同出現率が低く、自治体財政の改善効果の点でも限定的であることが明らかとなった。
 

地方自治体による民間人材の公募型副業モデルにおける知識の統合

-広島県福山市と3道県3市町村の分析-

 

平田朗子(法政大学大学院)・石山恒貴(法政大学)・森隆広(法政大学大学院)・中村啓悟(福山市役所)
論文要旨▼
広島県福山市が実施した「地方自治体による民間人材の公募型副業モデル」は、多くの応募があり、全国からの注目を浴びることとなった。また受け入れた民間人材は民間ならではの着想で独自色のある取り組みを実施し、他自治体でも同様の取り組みが見られるようになった。本稿では、地方自治体が民間の知識を取り入れ、行政と民間の知識を統合する際の実態を明らかにした。具体的には、ナレッジ・ブローカー(知識の仲介者)の役割を果たす介在部署が、副業者と行政内部署や地元のキーパーソンをつなぎ、知識の統合を促進するための偶発性を生む確率を高めていた。
   
 
 
研究ノート

非営利組織の協働に関する一考察

‐大須大道町人祭実行委員会と大須大道町人祭ボランティアを事例として‐

 

藍場 将司(名古屋大学)
論文要旨▼
本稿では大須大道町人祭をめぐる組織間の協働を事例とし、非営利組織との協働に必要な要素について、組織の自律性とコミュニケーションの観点から検証を行った。今回の事例では目的の異なる二つの組織が「町人祭」を共通項に協働を果たしており、両者の自律性が保たれていた。また町人祭ボラの沿革から、組織として拡大するとともに自律性を得た反面、実行委員とのコミュニケーションの機会が減少していた。しかし協働が成立している事例と果たせていない事例から、自律性とコミュニケーションは二律背反ではなく、双方を満たすべきであり、また非営利組織はその組織構造が流動的であるため、自律性とコミュニケーションの変化に注目する必要があると考察した。

 

地域外からの来園者による地域振興活動への参加可能性

 

石井洋二(東洋大学大学院経済学研究科公民連携専攻)
論文要旨▼
千葉県F市自然動物園へのF市内からの来園者とF市外からの来園者との間で同自然動物園周辺地域の猿害に関する認識の相違が明らかとなった。また、来園リピート数が増加しても、猿害を認識していない来園者が認識している来園者を上回っていた。来園者の地域の実状に係る認識向上のため、同自然動物園からの当該地域に関する情報提供手法に何らかの工夫が必要であることが示唆された。将来的に地域内の住民のみならず、地域外の住民をも含めた広範囲な関係者が関与する包括的な地域の野生生物資源管理の試みが地域振興へとつながっていくことを期待したい。

地域経済効果を高めるまちづくり事業の運営形態

~「まちやど」を対象とした地域付加価値創造分析の適用~

稲垣 憲治(京都大学)
 
論文要旨▼

まちづくり事業実施に際しては、地域経済効果を高めることが重要である。本研究は、「まちやど」hanareの事例を対象に、これまでドイツで研究されてきた地域付加価値創造分析を適用し、地域経済効果を分析した。その結果、宿泊客の地域店舗への支払いによる効果が「まちやど」事業がもたらす地域付加価値の約3割を占め、町で旅行客をもてなす運営形態が地域付加価値を押し上げていることが分かった。また、資本等が地域外である従来型のチェーンホテルを設定し、地域付加価値の比較を行ったところ、hanareが5倍の値となった。本研究では、まちづくり事業の運営形態によって地域経済効果が大きく変化することを実証した。
 

地域における阿波踊り連の役割―移住者と受入側住民の関係構築に着目して―

小田史郎(慶應義塾大学)・高田友美(神山つなぐ公社)・坂倉杏介(東京都市大学)
 
論文要旨▼

地域活性化の文脈において地域の価値の再定義など移住者の視点が注目されることが多い。他方、移住後の地域への定着についてはまだ問題が多く残っており、その中でも地域における関係構築は重要な課題と言える。本研究では、徳島県名西郡神山町の桜花連を事例に、地域の阿波踊り連が移住者と地域住民の関係構築に対してどのような役割を果たしているかを明らかにすることを目的として調査・分析を行った。その結果、連員の多様性や勧誘といった行為が移住者の入連につながり、また交流を通じて形成される桜花連内の関係性や神山についての理解が桜花連外の住民との関係構築に寄与し、移住者が町内で連員としての立場を獲得することが示唆された。
 

SDGsを意識した地域づくりに小学校社会科の地域学習副読本は活用できるか

 

河本大地(奈良教育大学)
論文要旨▼
SDGs(持続可能な開発目標)は、2030年までの達成が目指されている世界共通の目標である。本稿では、これを意識した地域づくりに、小学校社会科の地域学習で使われることの多い市区町村単位の副読本を活用できるかを検討する。奈良県広陵町および兵庫県香美町の副読本を用いて教員研修や授業を実践し、その結果を整理・考察した。自地域の過去が途上国の状況と類似していることを見出すなど「グローカル」な学びにつながること、地場産業や第一次産業に関する学びの動機付けにつながること、地域の未来をどうかたちづくるかという観点から学校教育における地域学習を再構成する契機になることなどが明らかになった。

 

地域のハイテク中小企業における各種情報源の重要度とイノベーション

鈴木 勝博 (桜美林大学) 
 
論文要旨▼
わが国の製造業のすそ野を支えるハイテク中小企業群について、プロダクト・イノベーション、ならびに、プロセス・イノベーションの創出時、社内外のどのような情報源が重視されているのかを調査し、また、それらの寄与の有意性について、地域の観点を交えながら分析した。オスロ・マニュアルに準拠したアンケートデータにもとづき、対象企業群がアグレッシブなイノベーション創出活動を行っていることを示すとともに、(1)「顧客」・「大学」・「サプライヤー」といった複数の外部情報源を並行的に重視していること、ならびに、(2) 「社内リソース」も同時に重視していることを示し、また、あわせて、(3)「市場をリードするプロダクト・イノベーション」の創出時には、「社内リソース」が有意に寄与すること、を示す。加えて、各種イノベーションの創出に際しては、企業が集積し、情報源の面での有意性をもつであろうか「東京」やその近郊(「北関東」、「南関東」)に立地することが、必ずしも常に優位にはたらくわけではなく、創出するイノベーションの種類によってその効果が変わることを示す。
 

東日本大震災の記念碑等の活用について

ー岩手県内の事例を中心にー

髙野 俊英(法政大学大学院)
 
論文要旨▼
本研究は、東日本大震災の記念碑等の活用について岩手県内の事例を中心に、宮城県内や都市の災害に取り組む東京23特別区や東京都多摩地域における災害の記念碑等の活用状況から、記念碑等の今後の利活用とその役割について考察した。
なかでも新たな震災遺構等と連携する利活用では、震災の復興支援と震災の記憶を未来に残すための取り組みが行われており、住民の防災意識を高める防災学習等に生かすとともに、復興支援イベント等での地域の賑わいを取り戻す交流の場としても活用されている。また、地域の観光等との連携においても地域の活性化に資する文化資源として継承・活用することで地域の絆を強め災害時の住民の自助・共助の防災につながる役割が示唆されていた。
 

アニメ聖地における「キャラ縁」の形成

谷村要(大手前大学メディア・芸術学部)
 
論文要旨▼
本稿は、伊藤剛のマンガ表現論で示された「キャラ/キャラクター論」を足がかりとして、従来のコンテンツツーリズム研究ではそれほど着目されてこなかったファンの「読み」について論じる。「アニメ聖地」はアニメ作中で描かれることで「聖地」とみなされるが、地域の取り組みの結果、そうみなされたり、キャラクターの「存在感」ある構成要素(「キャラ」)が地域資源と結びついたりしたことで「聖地化」することもある。本稿では後者の事例を取り上げ「キャラ」の「読み」を共有するファンと地域住民により「キャラ縁」(および「キャラ縁」の「聖地」)が形成される状況を指摘する。
 

観光まちづくりにおける人材確保と育成のメカニズム

――起業プログラムNCL西会津を事例として――

田原洋樹(明星大学経営学部)
論文要旨▼
本研究の目的は、観光まちづくり人材の確保と育成のメカニズムを明らかにすることである。そこで、福島県西会津町という人口6,000人の小さな町で、先進的に人材確保と育成を手がける、一般社団法人BOOTの取り組みに注目した。インタビュー調査の結果、定住を強制せず、起業を目的とした独自の採用方法を活用した人材確保と、後発的に開発が困難と言われる、態度・自己概念・価値観という中核能力を、仕事を通して日常的に醸成している人材育成サイクルが明らかになった。本研究から、観光まちづくり人材育成における能力開発モデルが示唆された。
 

産業支援機関による地域資源を活かした

商品開発支援プロジェクトの成果と参加者の評価に関する研究

―静岡市産学交流センターによる静岡おみやプロジェクトの事例―

崔 瑛(神奈川大学)
論文要旨▼
本研究では、静岡市の外郭団体である静岡市産学交流センター(B-nest)による地域の食資源を活用したお土産開発支援の取り組み「静岡おみやプロジェクト」の事例を取り上げ、教育・支援内容に対する参加者の評価、参加者が抱える課題、参加者のプロジェクト後の変化やプロジェクトから得たものについて、企業規模別に分析・把握した。プロジェクトを通した地域の中小規模事業者への支援の現状と課題、今後の方向性を検討し、10年以上継続している当該プロジェクトによる一定の成果や影響に関する示唆を得た。
 

リスクと税率がみかん耕作放棄地の再生と柑橘生産活動に及ぼす影響評価

都丸 孝之

                                              慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科

論文要旨▼
神奈川県小田原市では、農家の高齢化に伴いみかんの樹園地の耕作放棄地が年々増加している。耕作放棄地を再生させ、その農地を再活用することが急務となっているが、耕作放棄地を再生させる上で農地を整備する費用やその農地に植樹する苗木費用が大きな負担となる。本研究では、耕作放棄地を再生した農地で柑橘生産することを想定し、農家の納める税率や天候不順・鳥獣害などのリスクが、耕作放棄地の整備費用と苗木費用の回収期間への影響、さらにはNPV(Net Present Value)に及ぼす影響を評価した。その結果、農家の納める税率の軽減と鳥獣被害などのリスク対策が、耕作放棄地の整備費用と苗木費用の回収期間の短縮、NPVの向上に大きく寄与することを示した。
 

地域経済循環構造を用いた都市連携基準

原田 魁成(金沢大学 人間社会環境研究科)
寒河江 雅彦(金沢大学 経済学経営学系)
論文要旨▼
本稿では都市雇用圏及び連携中枢都市圏等の圏域を構成する定義に対し、地域経済循環構造の尺度を用いて議論する。地域経済循環構造を表す3つの構成要素「生産(付加価値額)、分配(所得)、支出(消費・投資)」の観点から、圏域外との経済的依存関係を見る目安として地域経済循環率が100%を超える圏域が望ましい都市圏であると考えると、連携中枢都市圏は34圏域中7圏域、大都市雇用圏は100圏域中30圏域が該当する。また地域経済循環率と雇用者所得、第2次産業の労働生産性の間にはそれぞれ強い相関が見られることから、第2次産業が圏域の経済的自立性を支える核となる産業であることが地域経済循環率を用いることで示された。
 

オンラインスポーツツーリズムにおける参加動機と開催地への愛着に関する研究

-『東北みやぎオンライン復興マラソン』と『名古屋ウィメンズマラソン2020』の事例から-

藤田 美幸( 新潟国際情報大学 )
論文要旨▼
本研究では、昨今オンライン上で実施されているスポーツイベントをオンラインスポーツツーリズムと捉え議論した。その中でオンラインマラソン大会を対象にし、参加者における参加動機や開催地への愛着はどのようなものかを明らかにした上で、その特性により今後のオンラインスポーツツーリズムの開催に関する方策について検討することを目的とした。そのため開催された2つの大会を事例とし参加者の投稿や発話について内容分析をおこなった。その結 果、オンライン上でも従来のマラソン大会と同様な参加者の参加動機づけの中で開催地の地域愛着に影響を及ぼす「結びつき」と「開催地の魅力」が確認された。また開催地では、オンライン上でも参加者とのタッチポイントを増やしエンゲージメントをより強く実現する施策を講じる必要があることを示唆した。
 

マーケティング視点で見る“地方移住の課題”に関する考察

~熊本の一地方都市での研究事例から~

丸山 泰(熊本県立大学)
論文要旨▼
地方への移住促進は地域活性化の最大の課題の一つである。様々な自治体が移住・定住促進施策を展開しているが、その多くが入り口の段階で認知・興味を獲得できずに苦戦しているのが実情である。本研究では、一地方都市において移住者にアンケートを実施し、移住に至る理由や経緯、情報源等についてデータを収集した。その結果、移住者の8割以上が、親や親戚、友人知人といった血縁/地縁を通したUターン類似型の移住である事が明らかになった。また、その際にほとんど公的情報源を活用していないことも判明した。そこで、地方の移住促進のため、Uターン者(+類似者)をターゲットとし、地元の縁者を仲介者とする新たなアプローチを提案する。
 

ローカルベンチャーの地域エコシステムのダイナミクス

村中 均(常磐大学)
 
論文要旨▼
本研究は、ローカルベンチャーを、地域住民が地域資源に目を向け、地域課題を解決するために起業することと定義し、地域エコシステムを、企業が生まれ成長する、製品やサービスが生産され消費されるという地域内の経済が循環している状態として捉え、ローカルベンチャーが中心となる地域エコシステムのダイナミクスについて分析を行う。
本研究では、ローカルベンチャーの地域エコシステム形成プロセスのモデルを構築し、地域エコシステム形成パターンを分析するレイヤー構造とバリューチェーンという視点からなる理論的フレームワークを提示し、4つの地域(茨城県北地域、埼玉県横瀬町、徳島県神山町、岡山県西粟倉村)の事例分析を行った。
 
 
 

事例報告

コロナ禍ナウにおける大学生の過疎地域活性化活動の現状

浅野英一(摂南大学)
 
論文要旨▼
過疎化が進む地域では、地域おこし・町おこしの新しいアイディアを実現させようと思っても、地域の人々の力に頼るだけでは瞬発力・爆発力・企画力の持続が難しいことが多い。そこで重要となるのが、「よそ者、若者、バカ者」の参画である。摂南大学は「よそ者、若者、大学生」をキャッチフレーズとして、和歌山県すさみ町の限界集落で大学生による地域活性化を10年以上継続してきた。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、大学は前期よりオンライン授業が続き、その後、緊急事態宣言は解除されたものの「今まで通りの生活」に戻ったわけではない、そういった状況下で地域活性化活動をどのようにして継続させて行ったら良いのかという事例の考察。
 

プロスポーツクラブと地方自治体の連携に関する研究

プロ野球の人材派遣事業に着目して

大崎 哲也(大阪成蹊大学) 
 
論文要旨▼
プロスポーツが自治体に行う地域連携の一つとしてプロ野球北海道日本ハムファイターズが元選手の球団職員を二つの自治体の職員として派遣する事業に着目した。球界では珍しい取り組みとされ、道内自治体との関係を深化させたい球団、過疎化が進む地域の活性化に活用したい自治体双方にメリットがあるほか、選手引退後のセカンドキャリアに道を開くことも期待された。調査の結果、高校野球の指導による強化や部員増が図られたほか、地域に共通の話題と活気をもたらしたことで、地域活性化には一定の効果が見られた。今後は派遣の任期後を見据えた自治体の取り組みが必要となる。
 

若年層向け「まち意識」の孵化・育成を目途としたワークショップの試験的運用

埼玉県戸田市における実践

大西 律子(目白大学)、高久 聡司(目白大学)、富澤 浩樹(岩手県立大学)
 
論文要旨▼
本稿では、若年層の「地域資源への好奇心・興味関心」、「地域での繋がり・ネットワーク・交流志向」、「地域で動き出したい志向」の総称としての「まち意識」に着眼するとともに、その孵化・育成を目途とした仕掛け(ワークショップ)を、著者らの先行研究に基づいて設計し、埼玉県戸田市において試験的に運用した結果とそのプロセスから得られた示唆について報告する。
 

自治体における「食文化」を活かした地域振興の取り組み

山形県鶴岡市の「食文化創造都市」を事例として

小野英一(東北公益文科大学)
 
論文要旨▼
本稿では、自治体における「食文化」を活かした地域振興の取り組みとして、山形県鶴岡市における「食文化創造都市」の事例を取り上げる。鶴岡市ではこれまで「食文化創造都市」の様々な取り組みを進めてきている。しかしながら、「食文化創造都市」については、これまで断片的な情報提供や報告などはあったが、取り組み全体を包括的に捉え、まとめたものは不在している状況にある。本稿は、鶴岡市における「食文化創造都市」の取り組み全体を包括的に捉え、事例報告を行うものである。はじめに「食文化創造都市」の取り組みについて調査・整理し、考察を加える。そして、今後の取り組みの課題と研究課題について述べ、全体をまとめる。
 

官学連携インターンシップによる地方創生が学生にもたらす学びと今後の展開

 坂倉剛1,横山滉人2,中島直輝3,6,黒澤栄則4,6,浅田匡 5,6,扇原淳5,6

1 早稲田大学大学院人間科学研究科,2 早稲田大学人間科学部,3 埼玉県庁,4 皆野町役場,5 早稲田大学人間科学学術院,6 早稲田大学人間総合研究センター

 
論文要旨▼
人口減少や高齢化などにより、地方部では地方創生の必要性が高まっている。また、近年は大学生のインターンシップについて、職業観の育成などの観点からその重要性が認識されている。これらの動向を踏まえ、2019年に埼玉県秩父郡皆野町と早稲田大学人間科学学術院はインターンシップ協定を締結し、2020年に第1回となるインターンシップ事業を実施した。本事業を通して学生は、自身の専門分野を地方創生で発揮する経験を通しながら皆野町の町政への理解を深めた。今後も本事業を継続させて行くと共に、学生が本事業で得られる学びの経験を体系化し、学生と町政の双方に利のある形で官学連携を発展させて行くことが課題として挙げられた。
 

国際交流による地方創生―カザフスタンの高校生と皆野町の中学生との国際交流事業を通して―

鈴木大介1,アンダソバ マラル2,6,中島直輝3,6,黒澤栄則4,6,齋藤篤6,扇原淳5,6

1 早稲田大学大学院人間科学研究科,2 アブライハン名称国際関係外国語大学 3 埼玉県庁,4 皆野町役場, 5 早稲田大学人間科学学術院,6 早稲田大学人間総合研究センター

 

論文要旨▼
埼玉県秩父郡皆野町では、人口減少、少子高齢化が課題となり、この状況を改善するための地方創生の策として、諸外国との緊密な交流による当該地域の付加価値向上とインバウンド喚起による交流人口増加に取り組んでいる。2019年5月に同町と早稲田大学人間科学学術院は包括連携協定を結び、同年7月に官学連携のもと、皆野町立皆野中学校にて、英会話による国際交流事業を行った。カザフスタン共和国・ナザルバエフ学校アスタナ校高校生と皆野中学校生徒との交流は、生徒・学校にとって、言語活動の充実、主体性の養成等の機会となったことが示唆された。今後は、カザフスタン共和国留学生との定期的な交流活動等による他自治体との差別化や地域の歴史・文化・産業の理解と異文化理解を連動させた地域課題解決事業を行う。 
 

The characteristics and residents' perception of Uku Island's mega solar project 

昔 宣希(長崎大学)五島 聖子(長崎大学)
 
論文要旨▼
Focusing on the Uku Island, this study clarifies the characteristics of the renewable energy project in Uku Island as well as empirically measures residents’ perception of the mega-solar project using questionnaire surveys. The project of Uku Island is Japan's largest solar photovoltaic project (400MW) to date, led by large corporations. Along with an expectation for economic revival using natural energy, concern has surfaced and is mounting regarding the negative impacts (environment, living quarters, and waste generation) from this large-scale project, insufficiencies in its administration, as well as uncertain and unfair aspects of economic effects. Under the support of administration, information sharing, establishment of a systematic system for energy business considering the characteristics of the region, development of an institutional platform enabling residents to participate are necessary. 

 

岩手県紫波町オガールプロジェクトの展開過程に関する基礎研究

ー〈スポーツ交流型まちづくり〉の視点からのアプローチー

高久 聡司(目白大学社会学部)、大西 律子(目白大学社会学部)、
富澤 浩樹(岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
 
論文要旨▼
本論文は、〈スポーツ交流型まちづくり〉の成功事例として着目される岩手県紫波町オガールプロジェクトの展開を、種々の資料及び中心人物である岡崎正信氏に対するインタビュー調査から明らかにすることを目的とする。分析の結果、オガールプロジェクトの展開は、3つの時期-事業を支える「推進組織」を整えた始動期、「スポーツ資源」と「サービス施設」を整えた形成期、それらを基盤に長期的に「来訪者」を集めるエリアへ発展した展開期-に区分でき、施設間の連関を高め、スポーツを「する」ことへのニーズへの対応を第一に据える中で「見る」「支える」との相互浸透を図り、持続的に発展を遂げてきたことを明証した。
 

関係人口と地域資源研究 -オンライン活用による「関係人口」拡大の可能性-

武田尚子(早稲田大学)
 
 
 
   
地方温泉地の活性化の可能性

―呼鶴温泉利用者の意識調査をもとに―

寺田篤史(徳山大学) 中嶋克成(徳山大学)
 
論文要旨▼
徳山大学は周南市観光コンベンション協会と連携し、新たな観光商品の開発を行っている。周南市には湯野温泉、石船温泉、三丘温泉、呼鶴温泉の4つの温泉があり、これら資源を調査することとなった。特に呼鶴温泉はこれまで観光資源としての掘り起こしが十分ではなく、本事例報告では呼鶴温泉の地域財としての価値を地元住民へのインタビューから明らかにした。結果として地域住民は観光地よりも「風呂」、「湯治場」のイメージの方が強かった。また、呼鶴温泉へのインタビューからも利用者の8割が地元住民ということが分かった。したがって本事例の場合、観光資源の開発に加えて定住促進が活性化につながると示唆された。
 
大学生の域内定住に関する一考察(1)

―下松市まちづくりアンケートを事例として―

中嶋克成(徳山大学)
 
論文要旨▼
本研究の対象自治体である下松市では、域内大学である徳山大学と、包括的な連携協定「連携協力に関する協定」を締結している。その一環として、徳山大学に大学生を対象としたアンケートの協力依頼があった。アンケートの内容は「下松市をより良いまちにしていくためのアンケート」であり、域内大学である徳山大学学生の考えや意見を計画に取り入れるために行うものである。アンケートの結果、域内大学生のうち大学卒業後、「下松市に居住したい」と回答したものは16名(5.2%)である反面、下松市以外に住む理由について最も回答が多かったのが「就職した企業がないから」(38名)でありマッチングに課題があることが分かった。
 
Uターン促進策としての「官民連携型成人式」の可能性を考える

―成人式への民間企業の関与事例から―

山本泰弘(官民共同チーム「匠」)
 
論文要旨▼
「地元出身の若者が集う成人式を、官民連携によりUターン促進のイベントへと変化できないか」。この構想の可能性を検討するべく、成人式に民間企業が関与した事例を収集・調査した。企業の関与の類型は、量と程度で限定的だが、「式で印象に残る体感をさせる」、「媒体により情報を伝達する」、「式の一部を外注する」、「求人PRをする」と大別される。それぞれについてUターン促進の目的のもとに改善・進化を加えれば、自治体と企業の双方に有益な成人式を実現できる可能性が示唆される。成人式は自治体の公共政策として開拓・発展の余地が大きいテーマであり、諸領域における調査研究と社会的議論が望まれる.
 

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