|ごあいさつ
会長挨拶 |
3代目会長 中嶋 聞多(信州大学特任教授) |
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今日、世界情勢が混迷を深めるなか、わが国そして地域の舵取りもたいへん難しい状況になっています。こうしたなか、地域活性学会は、会員数を伸ばし続け、今や892名(2017年8月31日現在)にまでなりました。それに応じて、国や地域からの期待、また学界におけるプレゼンスも否応なく高まらざるを得ない状況になりつつあります。
そして来年、本学会はいよいよ10周年を迎えます。この節目の年を迎えるにあたって、われわれがなすべきことはなにか。私は「原点回帰」であると考えます。どうかぜひ、本学会の設立趣意書をご再読ください。11大学の学長を発起人として、創設時のメンバーが議論を重ねて練り上げた趣意書には、どのような想い、どのような経緯で、何をするためにこの学会を立ち上げたのかが簡潔に述べられています。
このなかで強調されているのは、「政策づくりや実際の活動現場においては、いまだ確固とした理論や方法論がなく、手探りあるいは試行錯誤の状態が続いている」という現状であり、そのため「わが国の重要な社会課題、政策課題である地域活性化をアカデミズムの立場から支援するべく」学会を創設したという点です。その背景には、「従来ある地域経済の活性化関連の学術活動では疲弊した地域への原因を追究するのみで、その後の解決策を提示するという活動が希薄であるという共通認識」があったと述べています。そしてそのうえで、「本学会では学術研究者の分析とともに地域で実際活動をおこなっている種々民間団体、さらに制度・予算の面で支援する行政主体の参加も募り、より実践的な政策提言・地域活性化の取組支援につながる学術研究活動を目指す」ことをうたっています。
さらにこれを受けて、本学会のなすべき具体的な活動として、以下の4点があげられています。
1)地域活性化を担う専門的な人材の育成 (教育)
2)地域活性化の理論と方法の学際的な探究 (研究)
3)地域活性化に関する研究成果の地域への還元 (地域貢献・政策提言)
4)地域活性化に関する国内外の研究ネットワークの構築 (国内連携・国際交流)
私たちは、これらの点について、これまで何を実現し、何を積み残してきたかあらためて精査し、今後の学会活動の指針とすることが肝要であると思います。そしてその実現には、皆さまお一人お一人のご助力が欠かせません。ぜひご一緒に、地域活性学会のネクスト・ステージをつくってまいりましょう。
◆2代目会長 大宮登(高崎経済大学教授)
◆初代会長 清成忠男(法政大学元総長)[在任2008年12月~2013年7月]
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