■設立趣旨
今、世界の状況を見回しますと、東西対立が市場経済化の流れに沿って終結した後にも、資本主義が理想的な国民福祉国家の建設には必ずしも繋がらず、先進国に株主資本主義が蔓延してきています。それも一因となって、南北格差の固定化、先進国内での貧富の格差拡大、テロの温床となる国家秩序の破壊など、世界的に貧困と暴力が社会問題化しています。こうした中で、短期思考や投機的な投資を行う株主が主張する株主還元への一方的な偏りに警鐘を鳴らしていかなければなりません。
そのためには、日本に古来より存在している経営者の考え方である公益資本主義(中長期経営視点、社中分配等)を正しく推進し現在の日本の経営者やこれからの世界を支えていく若者達に公益資本主義の考え方を啓蒙していかなければなりません。世界有数の企業であるトヨタでも豊田章夫社長が中長期経営を支持する投資家向けのAA株を発行するなど具体的な動きも始まってきています。
日本の地域経済は、多くの中小企業者によって支えられています。全国590万事業所の99%を占める中小企業の経営者に正しい経営の在り方を啓蒙し、企業経営を活性化させ、社中分配による地域を含む全ての関係者に利益を分配する社会をつくることは、日本経済の健全化とともに、全国各地の地域振興策にも繋がるものと考えます。公益資本主義推進協議会(PICC)および特に若者と母親への啓蒙に焦点を当てたMYCO*1と連携しながら、公益資本主義と地域活性化に関する研究、啓発を進めていくことは、地域活性化のための産官学連携の拠点を地方の大学などを中心に形成していく地域活性学会の活動に大きく寄与するものと考えます。
MYCOとの連携に関しては、公益資本主義の考え方を未来に継承していく活動として、若い母親および若者を対象として、「地域振興」「子育て支援」「選挙参加」などをテーマとする研究・啓蒙活動を各地で行っていきます。
本研究部会は、以上のように、現代の地域活性化の最大の課題である地域の貧困解消、雇用の促進を地域の経済活動の主体となる現地の中小企業、NPO、大学などの研究機関が連携して取り組む仕組みを構築しようとするものであり、更に、その仕組みを活用して、地域活性化の調査研究、実践活動、政策提言等を行っていくことを目的とします。
*1...MYCOとは、一般社団法人公益資本主義推進協議会の中にプロジェクトとして設立した組織で、「私の社会を自分達でつくりあげていく」ために必要な「選挙参加」「子育て支援」「地域活性化」のテーマに若者や子供を持つ母親が向かい合う環境を作り上げていく活動の総称です。
■体制
部会に任期を2年(部会発足後)とする役員と事務局を置く。
○部会長 須田憲和 (株式会社フォーバル)
○副部会長 町野弘明 (一般社団法人ソーシャルビジネスネットワーク 専務理事)
原田謙介 (特定非営利活動法人YouthCreate 代表理事)
○事務局長 寺田耕治 (株式会社フォーバル 常務取締役)
○特別顧問 大久保秀夫 (一般社団法人公益資本主義推進協議会 会長)
村尾信尚 (関西学院大学教授 NEWS ZEROメインキャスター)
■活動
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- ・隔月定例日に研究会を開催し、公益資本主義推進活動の情報交換会とする。
・全国研究大会で、1年間の研究成果を報告し、公開する。
・「子育て支援」「地域振興」「選挙参加」のテーマに関するシンポジウムを全国各所で実施する。
・必要に応じて、政策提言を行う。