基調講演&シンポジウム T
(1)テーマ(案)
「小さな自治体の挑戦 〜Small is “powerful”?〜」
(2)概要
「小さい」ことへの可能性を模索する動きが、日本を含めた世界的な潮流となりつつある。
「ユース版ダボス会議」として毎年スイスで開催され、世界的に重要なテーマを議論が行われる「St.Gallen symposium」*1では、2015年の全体テーマが「Proudly Small」に設定された。
企業においては、特に欧米や日本などの先進諸国で、「スタートアップ」と呼ばれる事業領域を限定した小規模事業者が、各分野におけるイノベーションの大きな推進役となっている。名だたる大企業においても、新規事業領域の開拓においては、内製ではなく、スタートアップとの連携や買収を積極的に進める動きが加速度的に進行している。
まちづくりの分野でも、1980年代以降の様々な実践的取り組みのなかから「コミュニティデザイン」という概念が生まれた。ここ数年でその認知度は定着しつつあり、「小さくはじめる」「小さな目標を設定する」ことが、ボトムアップ型のまちづくりを成功させる上での鉄則となりつつある。
地方創生の必要性が叫ばれる昨今においても、小さな自治体の活躍が目覚ましい。例えば、サテライトオフィスが集積し、新しい働き方のモデルづくりに取り組む神山町や、教育事業の先進モデルづくりや持続可能な事業づくりを進める海士町など、小さな自治体の一挙手一投足に、日本中の注目が集まっている。
様々な領域において小さい組織やチームに大きな期待が寄せられる今、大会初日のシンポジウムでは、「小さな自治体の挑戦 〜Small is “powerful”?〜」をテーマに、小さい自治体の具体的なチャレンジを取り上げながら、地域活性における「小さいこと」の可能性とその課題について考えてみたい。
(3)内容
最初に基調講演で東大の小泉先生から概要を示していただき、小泉先生のコーディネートのもとで、シンポジウムを行う。シンポジウムでは、4名の発表者から30分程度で報告をいだいた上で、発表者全員で会場も巻き込んだ意見交換を実施する。
@基調講演
講演者:東京大学工学系研究科都市工学専攻教授 小泉秀樹氏
タイトル:「参加と協働のまちづくり 小さな自治体ができること」
講演時間:30分
Aシンポジウム
第1報告 発表者:NPO法人グリーンバレー理事長 大南信也氏
タイトル:「これからの神山が目指すまちのカタチ」
講演時間:25分
第2報告 発表者:慶應SDMソーシャルデザインセンター研究員 大宮透氏
タイトル:「小布施のまちづくり…これまでの営為とこれからの道」
講演時間:15分
第3報告 発表者:ブランド総合研究所取締役社長 田中章雄氏
タイトル:「地域ブランドからみた地方創生…全国の小さな町の取り組みを評価する」
講演時間:15分
意見交換 コーディネーター:東京大学工学系研究科 小泉秀樹氏
時間:40-50分
*1...世界中の有能な若者を招聘し、経済・政治の分野で先進的な取り組みを進める国や企業のリーダーとの交流の場を提供しているシンポジウム。
|